2009年5月16日(土)「しんぶん赤旗」

米の温室ガス排出量取引法案

民主内で調整まとまる


 【ワシントン=小林俊哉】米下院のワクスマン・エネルギー商業委員長(民主党)は十四日、温室効果ガス削減に向け、大規模事業所を対象に排出上限枠を設けるキャップアンドトレード(排出量取引)法案について、民主党内での調整が大筋終わったと表明しました。来週中にも委員会で法案を通したいとしています。

 同氏らによると、合意された法案は、温室効果ガスを二〇二〇年までに〇五年比で20%削減するとした当初の目標を17%に緩和。オバマ政権は、対象事業所すべてに排出権を買わせる方針でしたが、法案では、電力産業に排出量総枠の35%を二五年まで無償で割り当てるとしています。

 オバマ大統領は二月に行った施政方針演説で、議会にキャップアンドトレード法案を成立させるよう要求していました。野党・共和党が反対し、民主党内でも調整が難航。ワクスマン委員長らが提案した素案では、各産業への排出枠割り当ての方法をあえて白紙にし、民主党内で調整が続いていました。

 法案を調整する過程で当初より規制が弱まっていくことについて、ホワイトハウスのギブズ報道官は「若干の変更があったとしても、大統領は(法案が通れば)大きな成功だと考えるだろう」(十三日)と述べています。

 しかし、同法案には産業界に反対があり、共和党も対決姿勢を強めています。共和党側は相当数に上る修正要求を提出して、抵抗する構え。両党間の協議の過程で、削減目標値や排出枠をめぐり、さらに規制が弱まる可能性もあります。



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