2009年5月2日(土)「しんぶん赤旗」

第80回中央メーデー

志位委員長のあいさつ


 一日、東京・代々木公園で開かれた第八十回中央メーデーで日本共産党の志位和夫委員長がおこなった連帯のあいさつは次の通りです。


 第八十回中央メーデーにお集まりの仲間のみなさん、おはようございます。私は、日本共産党を代表して、みなさんに心からの熱い連帯のあいさつをおくります。(拍手)

巨大企業の雇用破壊――「絶対に許さない」の声を突き付けよう

写真

(写真)激励のあいさつをする志位和夫委員長=1日、東京・代々木公園

 私たちは、「八十回」という節目のメーデーを、大企業による雇用破壊と、それにたいする社会的反撃、日本の労働運動の新しい前進とのせめぎ合いのなかで迎えました。

 みなさん。いま経済危機のもとで、大企業が競い合ってすすめている雇用破壊は、ひとかけらの道理もないものであります。

 景気の良いときは、正社員を派遣など非正規社員に置き換え、劣悪な条件で搾れるだけ搾り、巨額のもうけをあげる。景気が悪くなったら、いままで生産の中心を担って懸命に働いてきた労働者を、ぼろ雑巾(ぞうきん)でも投げ捨てるように、首切りをおこなう。

 しかし、みなさん。首切りにあっている労働者は、モノではありません。生きている人間であります。仕事をしたい、正社員になりたい、家族を大切にしたいと、希望を持ってがんばってきた人間であります。それをモノのように平気で切り捨てる。こんな冷酷非情な行動を、トヨタ、キヤノン、ソニー、パナソニックなど、日本を代表する巨大企業がおこなっていることにたいして、絶対に許すわけにいかないという声を突き付けようではありませんか。(拍手)

人民のたたかいこそ労働のルールをつくる力――ともに歴史の扉をひらこう

 しかし、みなさん。こうした大企業の横暴に、泣き寝入りせず、屈しないで、労働者の社会的反撃が開始されました。私は、これは、日本社会の姿形を変える大いなる未来あるたたかいであると考えます。

 全労連の積極的なイニシアチブによって、新たに百十の労働組合が結成され、既存組合への加入とあわせて五千人を超える労働者が新たに労働組合に結集し、たたかいに立ちあがっています。

 自らにかけられた攻撃を、自分の問題だけとせず、企業悪、社会悪、政治悪を正す問題として、また働く仲間への熱い連帯の思いをもち、勇気をもって立ちあがっている全国の仲間たちに、私は心からの敬意をもって最後までともにたたかいぬく決意を申し上げるものです。(拍手)

 みなさん。人民のたたかいこそが人間らしい労働のルールをつくる力です。それは、十九世紀のイギリスで初めて十時間労働制――労働時間規制法が実現して以来の、人類の歴史、そして世界のメーデーの歴史が証明しているではありませんか。(拍手)

 労働者・国民の連帯した力で、労働者派遣法を抜本改正し、均等待遇のルール、細切れの有期雇用を許さないルール、長時間労働を規制するルール、最低賃金の抜本的引き上げをはじめ、人間が人間らしく働ける労働のルールを、この日本でも打ち立てようではありませんか(拍手)。「ルールある経済社会」へとすすむ歴史の扉をご一緒にひらこうではありませんか。(拍手)

核兵器廃絶――流れの帰趨を決める諸国民のたたかいを日本から広げよう

 みなさん。いま世界でも大きな変化がおこっています。アメリカのオバマ大統領は四月五日のプラハでおこなった演説で、核兵器廃絶を世界によびかけました。アメリカが「核兵器のない世界」――核兵器廃絶を国家の目標とすると公式に声明し、世界の諸国民に協力をよびかけたのは、歴史上初めての出来事であります。

 私は、四月二十八日、核兵器廃絶の一点にしぼった書簡をオバマ大統領に送り、その全文を昨日公表しました。私は書簡のなかでオバマ大統領の核兵器廃絶を追求するとの一連の言明を「心から歓迎する」とのべるとともに、「核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして国際交渉を開始する」――このことを強く要請しました。

 広島・長崎への原爆投下から六十四年。核兵器廃絶という人類史的課題で、大きな変化の可能性が目の前に広がっています。この流れの帰趨(きすう)を決める力はどこにあるか。この力は平和を願う諸国民のたたかいにこそあると、私は訴えたいのであります(拍手、指笛)。地球上からすべての核兵器を廃絶するための世論と運動を、世界で唯一の被爆国である日本から大きくひろげようではありませんか(拍手)。憲法九条をもつ日本こそ、その運動の先頭にたつべきだ――このことを訴えたいのであります。(拍手)

都議選、総選挙――「国民が主人公」の新しい日本への一歩をふみだす決意

 みなさん。七月には首都・東京の一大政治戦、東京都議会議員選挙がおこなわれます。総選挙もいよいよ目前に迫っています。日本と世界の激動の情勢のなかで、「国民が主人公」の新しい日本への第一歩を大きくふみだす勝利をかちとる決意をのべて、私のあいさつとします。(拍手)

 第八十回メーデー万歳!(拍手、指笛) ともにがんばりましょう。(大きな拍手、指笛)


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp