2009年5月1日(金)「しんぶん赤旗」
米外交の転換強調
就任100日 オバマ大統領が会見
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は二十九日、就任百日目にあたってホワイトハウスで記者会見し、「よいスタートを切ったと思う」と述べました。
外交面でオバマ氏は「私は米外交の方向を変えると約束し、その実現を始めた。イラク戦争の終結に着手した。アフガニスタンとパキスタンにいる(国際テロ組織)アルカイダに対する戦略を、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国とともに鍛え上げた」と述べました。
記者団から核兵器がタリバンや国際テロ組織アルカイダに渡るのを阻止するためにパキスタンに軍事介入する可能性を問われ、「われわれは軍事面で(パキスタン側と)強固に協力している」「パキスタンの核兵器は安全だと保障できる」と発言。「われわれはパキスタンの主権を尊重したい」と述べる一方、介入の可能性を再度問われると、「仮定の問題には答えない」と言及を避けました。
オバマ氏は「(われわれは)安全保障と理念との二律背反を拒否し、グアンタナモ収容所を閉鎖し、拷問を例外なく禁じた」と強調。ブッシュ前政権の「テロ容疑者」に対する水責めなどは「拷問だ」と改めて言明し、拷問を禁止することで「長期的にみれば、より安全保障に資する」と述べました。
内政面では、巨額の財政支出で景気浮揚をはかる経済刺激法が議会を通過したことを成果として強調。一方で「前進をうれしく思うが、満足はしていない。依然として数百万のアメリカ人が職を失い、家を失っている」と述べました。

