2009年5月1日(金)「しんぶん赤旗」

きょう第80回メーデー

大企業に次々労組支部


 きょう一日は第八十回メーデーです。一人でも入れる滋賀一般労働組合(滋賀県労連加盟)も参加します。同労組は、「非正規」切りにあった派遣・期間労働者らのよりどころとなり、長浜キヤノン、日本電気硝子、ダイハツ工業など大企業に次々と支部が結成され、正社員化を求めてたたかっています。組合員数は昨年十月の四十人から半年間で二百六十人へと六倍以上に増えています。


滋賀一般 非正規のよりどころ

 レーザープリンターなどを製造する長浜キヤノンで、労働者派遣法に反して三年十一カ月も働かされ、三月末で「派遣切り」された男性(39)。知人から労組を紹介され、「あまりにもひどい仕打ちに怒っていた。即刻、加入を決めた」といいます。

 長浜キヤノンは、昨年六月、国会質問で取り上げた日本共産党の志位和夫委員長が現地調査を行ったとき、キヤノン本社の諸江昭彦専務が「大いなる反省をしている」と述べ、派遣雇用は解消すると約束していました。

 ところが「業務請負」に変えたものの、有給休暇取得にはキヤノン側の許可がいるなど、偽装請負が疑われる実態でした。キヤノンは直接雇用の申し込み義務も果たさず「派遣切り」を行ったのです。しかも、派遣会社「新日本」は、労働者に解雇を通知しながら「退職願」を書かせ、自己都合退職にしようとしました。

 三人相部屋で四万八千円も徴収していた寮を解雇と同時に追い出し、さらに、退去費用として一万二千円をまきあげようと。キヤノンから派遣・請負会社に出たはずの補償金も労働者に渡そうとしないため、労働者の怒りが噴出しました。

 男性らは滋賀県労連と相談。解雇撤回と直接雇用を求め、滋賀一般長浜キヤノン関連支部を立ち上げました。銭湯で誘われた別の男性(31)は、加入理由を「会社には人権感覚がまったくない。このままならどうなるか不安だった」と語ります。

 派遣元の新日本が団体交渉を拒否しており、滋賀一般は、不当労働行為だとして労働委員会に救済申し立て。滋賀労働局にも、長浜キヤノンに直接雇用指導するよう申告してたたかっています。

社会を変えたい

滋賀一般労組

 派遣労働者らでつくる長浜キヤノン関連支部の支部長たちは、同じように「非正規切り」にあい、雇用不安にさらされている労働者に労働組合のことを知ってもらおうと、県労連が湖北町で開く「一日派遣村」の案内ビラを、派遣や期間労働者の寮に配布しました。

 そのビラを見たキヤノンの期間労働者が、県労連に相談し、滋賀一般へ加入。長浜キヤノン期間工支部を結成し、正社員化や差別的な待遇の改善を求めています。

 たたかいが広がったことで、派遣会社の新日本は、不十分ながら「一時金と生活支援金を出す」と言い出しています。

 滋賀県労連は四月二十六日、彦根市で開いた滋賀一般の交流会では、キヤノン、日本電気硝子、ダイハツ工業など大企業の無法とたたかう非正規雇用の労働者が勢ぞろいしました。

 参加者は「もうけてきた会社をギャフンといわせたい」「みんなの意見に共感できる。協力をお願いし一緒に頑張りたい」と交流しました。

 支部長は「こんなにたくさん立ち上がっているんだと感激しました。これからは、同じ労組の仲間として、ほかの企業との交渉にも参加したい。団結の力で社会を変えたい」と語っています。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp