2009年4月29日(水)「しんぶん赤旗」
授業中 校外で「立ち番」
鶴川高校不当労働行為 教員ら提訴
東京
東京都町田市の私立鶴川高校(百瀬和男校長)で、教職員組合への嫌がらせで授業時間中に長時間学校外での立ち番を命じられているとして、鶴川高校教職員組合の教員十人が二十八日、東京地裁立川支部に提訴しました。同校を運営する学校法人明泉学園と、同学園理事長を兼任する百瀬校長に損害賠償を求めています。
訴状によると、同校では二〇〇七年九月から「マナー指導当番」として管理職以外の教員に週当たり一人平均二時間三十分、学校周辺での立ち番を命令。〇八年十一月に生徒が痴漢に遭う事件があって以降、「学園防衛当番」などと改称して立ち番の場所と時間を順次増やしました。
とくに鶴川高校教職員組合に所属する教員の立ち番は、〇八年十一月六日からは週当たり一人平均三時間五十一分、〇九年一月十三日からは同六時間三十二分、二月二十日からは同十七時間十六分にもなっています。主に授業時間中に、生徒がほとんど通らない場所に立たせており、原告らは「教育活動といえず、単なる嫌がらせ」と指摘しています。
原告らは週十七コマ前後の授業を担当しており、教材研究や配布物の作成、テストの採点などの仕事があります。しかし空き時間の大半が立ち番に費やされるため、持ち帰り残業をせざるをえず、生徒への学習支援も困難になっていました。
立ち番は雨の日や寒さの厳しい日もあり、学校側は用務員を巡回させて、立っている教員を監視、写真に撮るなどしたといいます。教員の中には体調を崩す人も出ています。
同校では以前から組合員を担任や部活動顧問からはずすなどの不当労働行為が行われ、今年二月には中央労働委員会が救済命令を出し、確定しています。

