2009年4月27日(月)「しんぶん赤旗」

千葉市長汚職事件

巨額工事を随意契約

贈賄企業に追加発注で6億円


 千葉市の鶴岡啓一市長(68)が収賄容疑で逮捕された事件で、贈賄側の土木工事会社「東起業」(東京都江東区)が受注した同市発注工事の多くが競争入札を経ない随意契約で結ばれていたことや、契約後に追加発注を伴う工事内容の変更がたびたび行われていたことが二十六日、本紙の調べでわかりました。


 東起業と大手ゼネコン清水建設など四社でつくる共同企業体(JV)が、随意契約で受注したのは「下水道排水施設工事(宮崎雨水貯留幹線)」の関連工事七件です。いずれも鶴岡容疑者の市長在任中に受注しています。

 この排水施設の本体工事は、同JVが一般競争入札で落札し、四十三億七千八百五十万円で請け負いました。

 同工事はその後、工期や内容を五回にわたって変更。新たな工事が必要となるたびに本体工事を落札した東起業のJVが、随意契約で追加工事を受注しています。

 随意契約での請負金額は、七件で総額六億二千七百万円にのぼります。

 公共工事の入札は、一般競争入札が原則とされます。地方自治法でも随意契約ができる場合を、施行令で「競争入札に付することが不利と認められるとき」などと例外的なものとしています。各地の自治体でも一億円を超えるような工事は入札にするのが一般的です。

 本紙の取材に千葉市契約課は、「入札で東起業のJVが受注した工事に附帯する工事が発生したため、随意契約での発注となった」と説明しています。

 しかし随意契約で発注した中には、「附帯工事その3」の二億二千五十万円、「人孔築造工事」の一億一千九百万円、「附帯工事その6」の一億四千七百万円など、一億円を超える大規模な工事も含まれています。

 鶴岡容疑者の収賄容疑とされた「六方地区街路築造工事」でも、東起業が指名競争入札で落札した後に工事内容が変更され、追加工事が実施されました。

 鶴岡容疑者は〇五年十一月、東起業への便宜の見返りに百万円を受領したとして逮捕されました。贈賄側は時効が成立しています。



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