2009年4月27日(月)「しんぶん赤旗」
IMF世銀会合 各国要求
途上国の比重増やす
議決権改革を
【ワシントン=西村央】国際通貨基金(IMF)・世界銀行グループ春季会合が二十五日にワシントンで始まり、国際通貨金融委員会(IMFC)のなかで、世界的な金融危機の影響が深刻化している貧困国対策を重視するIMFの対応に歓迎の意が表明されました。また、加盟国全体の意思が反映される方向での改革に取り組むよう強い要請がありました。
中南米八カ国を代表したブラジルのマンテガ財務相は「今日の危機は、これまでの誤りや同じ失敗を繰り返さないための教訓を引き出す好機でもある」と発言しました。
また出資額に比例する現在の議決権を踏まえ「(議決方法での)民主主義の欠如がある」と指摘。「専務理事が近代的なIMFとするよう努力していることは評価するが、途上国がより代表性を持つ方向で迅速に動くことを期待している」と表明しました。
インド、バングラデシュ、スリランカなど四カ国を代表したインド中央銀行のサバラオ副総裁は、低所得国向けの低率融資制度にとりくむことを歓迎。
そのうえで「議決制度の見直しは、IMFの包括的な改革を確かなものとする。それは世界経済のなかでの経済力の比重の変化を反映したものであり、将来の課題に責任を持つことにつながる」と述べ、新興国や途上国がより大きな発言権と代表権を持つことを要求しました。
金融危機に際し、効果的な対策を打ち出せなかったIMFへの批判や改革要求は強いものがあります。
最大の議決権(昨年十二月時点で16・79%)を持つ米国のガイトナー財務長官も「国際的な通貨システムの中心として存続していくためには、IMFの正当性を強めることが不可欠である」と表明。議決権でも新興国をまじえて大胆に再編する必要性を強調しました。

