2009年4月25日(土)「しんぶん赤旗」

米国防総省

核・軍事態勢 見直し着手

拡散防止、抑止力は維持


 【ワシントン=小林俊哉】米国防総省は二十三日、核戦略の基本をすえる「核態勢の見直し」(NPR)報告と、四年ごとの「国防計画の見直し」(QDR)報告の更新に着手すると発表しました。同省高官は、オバマ大統領のチェコ・プラハでの核軍縮に向けた演説が、新報告の「戦略的枠組み」となると述べました。今夏から秋にかけて更新作業をすすめ、来年の早い時期に議会に提出します。


 NPRは、向こう十年間の核抑止態勢、核政策、核戦略の基本を定めるもの。同省高官は「オバマ大統領がプラハで述べたように、われわれとしても核兵器の拡散防止を最優先課題とする」と指摘。また、ロシア側とさらなる核兵器削減交渉を進めることも織り込んでの戦略見直しとなると述べました。

 一方、「核抑止力」論自体については、「オバマ大統領は(核兵器のない世界という)最終目標について述べたが、同時に、それが実現されるまでは、敵対国が核兵器を持つ限り堅固で信頼できる核抑止を維持するとも述べた。NPRは、この文脈で検討される」とも発言し、維持する姿勢を強調しました。

 QDRは、四年に一度更新される国防政策の長期的戦略見通し。リン国防副長官は同日、声明を発表し、アフガニスタン戦争やイラク戦争の「教訓」をくんで、新QDRで「(国家間の)伝統的戦闘での戦略的技術的優位を維持すると同時に、(テロ、ゲリラなどの)不規則戦闘の能力も機能化する方途を見つける」と述べました。

 ゲーツ国防長官は、同時に二つの戦争に従事できる態勢を維持することを基本としてきた従来の国防方針について、「中核的論点の一つは、冷戦時代や冷戦終結直後には妥当だった方針が現在の世界に適用できるかどうかだ」と発言しています。仮想敵国を想定して国家間戦争を中心にしてきた国防態勢の見直しが焦点になるとみられます。

 前回のNPRは二〇〇二年に作成され、QDRは二〇〇六年に更新されています。



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