2009年4月16日(木)「しんぶん赤旗」

一斉学力テスト中止を

文科省に 子ども全国センター要請


 子どもにかかわる団体・労組、個人でつくる「子どもの権利・教育・文化全国センター」は十五日、全国一斉学力テストの中止を文部科学省に要請しました。

 要請には同センター代表委員の堀尾輝久氏、三上満氏、高田公子氏(新日本婦人の会会長)、山口隆氏(全日本教職員組合委員長)らが参加。四氏や小森陽一東京大学教授らが呼びかけ人となった全国学力テストの中止と三十人学級実施などを求めるアピールを、九百四十五人の賛同署名を添えて提出しました。

 四氏らは、学力テストが子どもたちをいっそう競わせ、格差を広げること、大阪や秋田では知事が市町村に結果を公表するよう圧力をかけるなど問題が広がっていることを指摘。学力の実態を把握するなら抽出調査で十分であり、一斉テストに五十七億円をかけるのでなく、経済的に困難な子どもの就学保障や三十人学級などに使うべきだと訴えました。

 文科省側は「学力の傾向を把握するためなら全員を対象にした調査は必要ない」と認めました。しかし、「各学校での指導の改善などのために全員を対象にすることが必要」だとし、テストを継続することを表明しました。

 三上氏は、「これまで二回の全国学力テストを見ても、実施から結果が返ってくるまで何カ月もかかり、指導の改善には役立たないことがわかっている。ごまかしは通用しない」と批判しました。

 要請後の記者会見で山口氏は、学力テストの平均点を上げるために過去の問題を繰り返しやらせる学校があるなど、本来もっと豊かな内容を持つ学力が「テストの点数」だけでみられるようになり、教育活動がゆがめられている現状を指摘。堀尾氏は「学力テストは子ども、教師、学校を競争させ、テストの点数を学校選択の材料にし、学校間格差を広げて統廃合を招く」とのべました。



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