2009年4月10日(金)「しんぶん赤旗」

銀行損失かぶる恐れ

大門議員 日銀は異例措置やめよ


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(写真)質問する大門実紀史議員=9日、参院財政金融委

 日本共産党の大門実紀史議員は九日の参院財政金融委員会で、金融危機克服を理由に日本銀行が実施している、社債の一種であるCP(コマーシャルペーパー)や社債、国債の買い取りなどの「異例の措置」が「市場経済のメカニズムを破壊する」と指摘し、撤回を求めました。

 日本銀行は三月十七日の金融政策決定会合でも、長期国債の買い増しとともに、大銀行の資本増強を目的にして劣後ローンの引き受けを決定。劣後ローンの引き受けは、CP買い取りと同様に、銀行が破たんした場合、日銀が損失をかぶる恐れのある異例の措置です。

 大門氏は「中央銀行が個別企業、個別銀行の経営の中身に立ち入ることはやめるべきだ」と強調。「金融システムの安定などを掲げても、結局、市場経済のメカニズムを壊してしまうことになる」とのべ、劣後ローン引き受けの決定など、「異例の措置」の拡大を撤回することを求めました。

 日銀の白川方明総裁は、「一回異例の政策をとると、だんだんそれが当たり前になる心理状態は怖い」と答弁。「常にバランスを意識しながら、使命を達成していきたい」と述べました。

 大門氏は、劣後ローンの引き受けについて、「ニーズがない」と指摘し、見直しを求めました。白川氏は「安全弁として用意した」と繰り返しました。


 劣後ローン 融資相手から高い金利収入を得られる代わりに、返済順位が低いローンのこと。株式に近い性質を持つために、一部分を自己資本に組み入れることができます。


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