2009年4月9日(木)「しんぶん赤旗」

グアム協定

「限りない駐留に驚き」

参考人質疑 宜野湾市長らが批判


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(写真)参考人(右)に質問する赤嶺政賢議員(左)=8日、衆院外務委

 衆院外務委員会は八日、「在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する協定」について参考人質疑を行いました。

 日本共産党の赤嶺政賢議員は、外務省の梅本和義北米局長が三日の同委員会で移転後の沖縄駐留米軍の数について、安保条約、地位協定上、「上限を設けるような仕組みにはなっていない」と答弁したことを紹介。各参考人に「どう思うか」と質問しました。

 沖縄県宜野湾市の伊波洋一市長は「限りない駐留という(外務省の)話に驚いている。これだけ住民地域に接している基地のあり方は規制されてしかるべきだ。米軍の勝手放題に使われては困る」と強調。沖縄大学の桜井国俊学長は、「二〇〇四年八月に米軍ヘリが沖縄国際大学構内に墜落した時、七日間、学長はじめ関係者はすべて排除され、軍機の保持、証拠隠滅のために大学が占拠された。ところが政府は何も言わない。沖縄は軍事植民地となっている」と述べ、政府の姿勢を批判しました。

 これに対し、森本敏拓殖大学大学院教授は「極東の安全のため、状況の変化に応じて軍を駐留させるのは当然」と発言。西原正元防衛大学学長も、「主要な部隊などの新たな持ち込みは協議事項だが、部隊の数は協議の対象となっていない」と米側の要求が優先するとの立場を示しました。

 赤嶺氏は、「グアム協定の根幹に無条件の基地提供を義務づける日米安保がある限り、負担軽減どころか負担の強化ばかりだ」と批判しました。

参考人が指摘

“殴り込み”能力強化狙う

 八日の衆院外務委員会の参考人質疑では、「グアム移転協定」を支持する参考人から、沖縄の米海兵隊のグアム移転の軍事的狙いが米軍のアジア太平洋地域への“殴り込み”能力の強化にあることが率直に語られました。

 西原正・元防衛大学学長は「沖縄から海兵隊をグアムに移動することで、東南アジア、南アジア、中東により迅速に展開できる」と指摘。一方で「グアムに移転するのは主に司令部機能であり、即応性の高い強力な実戦部隊が沖縄にとどまる」と強調しました。

 森本敏・拓殖大学大学院教授は「米国は西太平洋全域における長距離のパワー・プロジェクション(戦力投射)能力を向上させるため新しくグアムの基地整備を考えている」と指摘。海兵隊の移転を機に、グアムを空母や戦略潜水艦、爆撃機など最新鋭兵器の根拠地として、米四軍(陸・海・空軍、海兵隊)の戦略基地にしようとしていると述べました。



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