2009年4月7日(火)「しんぶん赤旗」

核廃絶は「道義的責任」

米大統領が強い意志

唯一の使用国として表明


 オバマ米大統領は五日、チェコのプラハで行った核兵器に関する演説で、「核兵器のない世界」の実現に「核兵器を使用した唯一の核保有国として、米国には行動すべき道義的責任がある」と述べました。


 歴代の米政権は、一九四五年八月の広島、長崎への原爆投下を正当化し、核兵器の使用も辞さない政策をとり続けてきました。

 ブッシュ前政権は、核兵器の先制使用戦略を公にし、国際政治の場では核兵器廃絶を敵視。その前のクリントン大統領は一九九五年四月、原爆投下は間違っておらず、米国は謝罪する必要はないとの見解を示しました。

 こうした前政権の態度と比べ、オバマ氏の言明は核兵器廃絶に向けて踏み込んだものです。「核廃絶は無理だ」という議論を「生かしてはおけない敵」とまで言い切り、核兵器をなくすことに強い意志を表明しました。

 演説では「核兵器のない世界に向けた具体的な措置」として、(1)ロシアとの戦略兵器削減条約(START2)の交渉(2)包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効実現(3)検証可能な核分裂物質生産禁止条約(カットオフ条約)の実現―を提示。核不拡散条約(NPT)体制の強化とともに、新たな首脳会議も呼びかけました。

 オバマ氏は演説の結びで、「達成出来そうもない目標を設定する意味があるのか」という疑問に対し、各国とその国民の協力こそが必要だと力説しています。(山崎伸治)



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