2009年4月6日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPRESS

大地に平和の種まこう

若者と農家 田んぼで交流

コメと9条守る思い込め

千葉


 「農作業を通じて、若い人に食への関心を持ってもらいたい」と、千葉市の農家が地域の青年たちと、田畑でいっしょに作物をつくる交流イベントを開いています。農民運動千葉県連合会(千葉県農民連)青年部と、うたごえサークル「わかちばーず」が共催。取り組みは今年で7年目を迎えています。(平井真帆)


 よく晴れた3月末。この日は今年、初めての作業日で「田んぼの整地」を行いました。

 農地に「鶏ふん」をまき、耕耘機(こううんき)で土を耕していきます。

“農民”に変身

 参加者は、長靴や軍手、麦わら帽子を借りて「農民ルック」に変身し、作業がスタートしました。

 田んぼに1歩踏み込むと、初心者は足を取られて歩けません。「予想以上に大変! こんなに初歩的なことまでできないとは」と参加者は汗だくです。

 「農作物っていうのは、種まけばできるってもんじゃない」

 こう話すのは農業を営む熊手正幸さん(43)です。イベントを主催し、自身の田畑を提供しています。

 熊手さんたちは、「農作物ができる過程を自分の目で見てもらえば、食や農業に対する考えも変わってくるのでは」と考え、仲間とこの取り組みを始めました。

 イベントのタイトルは「大地に平和の種をまこう」。憲法9条は国民の宝、米は国民の命。平和と農業を、ともに守っていこうと名づけました。

 参加者は田畑の整地から種まき、田植え、収穫祭と、年間を通じていつでも農作業にかかわることができます。

 収穫時には毎年、20〜30人の若者が集まり、取れたてのトウモロコシや枝豆などを、その場で調理して食べたりします。

 この日、友人に誘われて初めて参加した山田学さん(27)=仮名=は、都内の税理士事務所に勤めています。「普段は農業とは全く無縁」だといいます。

 「毎日お金の計算をして、仕事だけで人生終わってしまうのはつまらない。自分が住んでいる街をもっと知りたいし、自然の楽しさを再発見したい」とやって来ました。

国産買い応援

 「この田んぼも3、4年前までは草が生い茂る荒地でした。取り組みを通じて、米や、もち米が収穫できるまでになりました」と話すのは、うたごえサークルの眞船(まふね)光子さん(40)です。子どもたちを連れて参加しています。

 以前は「安ければいい」と、産地にはこだわっていなかったという眞船さん。毎回の農作業に触れ、「多少高くても国産の農作物を買って、農家を応援したいと思うようになりました」と話します。

 鍬(くわ)を持つのも初めての体験だった山田さんは、汗をぬぐいながら言いました。

 「やってみて大変さを痛感しました。こんな重労働なのに、農家は高齢化しているんですよね。(参加して)本当に楽しかった。農家の人たちと知り合えたのも収穫。週末、時間があったら絶対、また来たいです!」

 主催者の熊手さんたちは、「収穫祭だけの参加も大歓迎。1人でも多くの若い人に参加してほしい」と期待を寄せています。


農業のイメージ変えたい

千葉県農民連青年部事務局 小林千佳子さんの思い

 千葉県農民連青年部事務局で働き、「大地に平和の種をまこう」のイベントにかかわる小林千佳子さん(27)に思いを聞きました。

 両親は専業農家で、スイカやニンジンを作っています。

 周りも農家ですが、親の後を継いで農業をやる人はすごく少ないです。

 「自分たちの大変さを子どもには味わわせたくない」と、子どもには収入の安定した、ほかの仕事につくよう勧める人が多いです。

 でも、本心は継いでほしいのだと思います。自分の畑を手放したくはないし、親は野菜を作ることに誇りを持っています。

 そんな両親の姿を見て、私も何かしら農業にかかわることをやりたいと思っていました。

 実は、私の20歳の妹が農家を継ぐことを選び、両親と一緒に農業をしています。

 今、農家はほんとうにギリギリのところで生活し、何とか経営を守っています。

 政府の、農産物価格を市場任せにするやり方では、とてもやっていけません。

 国は、農業に誇りを持って一生懸命やっている家族経営農家を切り捨てるような政策をすすめるのではなく、応援してほしいと、心から願っています。

 大変な面もあるけれど、物作りは楽しいし、収穫の喜びはとても大きいです。

 多くの青年にこのイベントを通じて、農業のイメージを、良い意味で変えていってもらえたらと思っています。


「大地に平和の種をまこう」今年の日程

4月12日(日)
 枝豆・トウモロコシの種まき
 ナス・かぼちゃの植え付け
 ※雨天時は19日(日)に延期

5月10日(日)
 田植え
 ※雨天時は17日(日)に延期

7月18・19日(土・日)
 夏の収穫祭

9月27日(日)
 稲刈り(予定)

11月28・29日(土・日)
 冬の収穫祭
 ※種、苗代として参加費500円
 収穫祭は3,000円

 問い合わせ=千葉県農民連
 電話 043(443)9260
 電子メール chiba-nm@trust.ocn.ne.jp


お悩みHunter

「やきもち焼き」は直せますか

  私は独占欲が異常に強く、やきもち焼きです。先日、親友が同じクラスの別の子と楽しそうに話しているのを見ただけでイライラして、親友にきつく当たってしまいました。それ以来、口をきいてくれません。こんなやきもち焼きの自分に、うんざりしています。どうしたら直せますか。(高校2年 女性)

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  あなたの気持ち、手に取るようにわかります。確かに「独占欲」が強く「やきもち焼き」のようにも見えます。

 ですが、問題はその「やきもち焼き」に隠された「こころ」ではないでしょうか。

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 あなたは決して一人ではありませんよ。現に親友だっているのですから、そのことにもっと自信を持つことです。親友をあなたの「不安の世界」に束縛しないで、解放してあげることです。

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 友達が増えることによって、親友への「喪失不安」が和らぎ、依存的な「独占欲」はいつの間にか消えていくことでしょう。


教育評論家 尾木 直樹さん

 法政大学キャリアデザイン学部教授。中高22年間の教員経験を生かし、調査研究、全国での講演活動等に取り組む。著書多数。



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