2009年4月4日(土)「しんぶん赤旗」

手足しびれ差別恐れ

新潟水俣病 患者が苦しみ訴え

市田・井上両議員が出席


 「新潟水俣病共闘会議」と未認定患者で組織する「新潟水俣病阿賀野患者会」は三日、国会内で現状報告会を開き、患者聞き取り調査の結果を発表し、患者自身が水俣病の苦しみの実態を訴えました。日本共産党からは市田忠義書記局長・参院議員と井上哲士参院議員が出席しました。

 両団体は昨年七月から十二月にかけて、新潟、阿賀野、新発田の三市で、五十二人の患者から聞き取り調査を実施しました。

 手足のしびれの症状がある人は100%、その発症年齢は働き盛りの三十から五十代が61・4%となっています。阿賀野患者会は六月をめどに裁判をおこす予定です。

 同会の山ア昭正会長(67)は「手を上げるのが遅れたのは差別と偏見のため。一九七〇年に手足のしびれが出たが、当時は食品会社に勤務、未婚の妹も二人いた。解雇や妹の結婚に支障がでることが怖かった」と述べました。

 近喜三男副会長(81)は「鉄筋工事の仕事を失うことを恐れ、検査もせず、水俣病集会にも参加できなかった」と話し、山田サチ子幹事(73)は病状について「足だけでなく手もこむら返りをして困っている。左目の視野が狭くて、人ごみで物や人によくぶつかる」と訴えました。

 また同会事務局の酢山省三氏は、新潟水俣病被害者の声を聞いてほしいと加害企業の昭和電工に要請したところ、一日に同社は「話をする考えはない」と答え、「患者とは認めていないとの発言までした」と憤りました。

 市田氏は「みなさんの切実な声を正面から受け止めて、真の解決のために奮闘する」と決意表明。与党が水俣病の「最終解決」と称して提出した法案について、与党自身が救済されるのは患者の40%と認めていることを指摘し、「住民の実態とは無関係に机の上で考えたもの。加害者救済、被害者切り捨て、救済打ち切り法案だ」と批判しました。


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