2009年4月3日(金)「しんぶん赤旗」

内々定取り消し償え

福岡の女性 労働審判申し立て


 福岡県内の大学を今春に卒業した二十代の女性が内々定を取り消した福岡市内の不動産会社を相手取り損害賠償を求める労働審判を申し立てていたことが二日、分かりました。女性の代理人弁護士が同日、明らかにしました。

 申立書などによると女性は、昨年五月内々定を得て、入社承諾書を提出。しかし、内定書を受け取る二日前の九月下旬に原油高騰や金融危機などの「複合的要因」を理由とした内々定取り消しを伝える書面が届きました。

 女性は「紙切れ一枚で切られるほど軽く扱われるいわれはない」として、説明を求めましたが返事はなかったといいます。

 代理人の光永享央弁護士によると、女性は現在も仕事は見つかっていません。第一志望だった同社から内々定取り消しを受け「天国から地獄へ落とされた思いがした」と語っているといいます。

 申し立てたのは今年二月下旬。女性の意向で非公表にしていましたが、「内々定取り消しが社会的に許されるのか判断してもらいたい。内定取り消しの抑止力になれば」との思いから公表に至ったといいます。

 内々定取り消しをめぐっては、女性と同じ会社で内々定を取り消された男性が損害賠償を求めて労働審判を申し立てています。



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