2009年3月25日(水)「しんぶん赤旗」

国連に経済理事会を

安保理なみの権限で

専門家委提案 世銀・IMF改革も


 【ワシントン=西村央】国連の「国際通貨・金融システム改革専門家委員会」(委員長=スティグリッツ教授)は二十三日までに、国際通貨基金(IMF)改革など新たな世界的な金融システムの確立とともに、国連のなかにも安全保障理事会と同様の権限や影響力を持つ世界経済理事会の設置を求める提言案をまとめて、公表しました。

 提言案では、「(金融危機への)包括的な対応のためには、国際社会全体の参加こそ必要で、G7(主要七カ国)やG8(主要八カ国)、あるいはG20(主要二十カ国・地域)ではなく、世界全体を網羅するG192(国連加盟の百九十二カ国)でなければならない」と指摘しています。

 当面必要な方策として、▽発達した国々が自国の経済刺激のために強力な一致した効果的な行動をとる▽発展途上国に向けた追加的資金援助▽金融商品の取引で透明性を求める規制分野での改革―などをあげています。

 国際的金融体制の改革では、第二次大戦後の国際金融の枠組みとなってきたブレトンウッズ体制の見直しの一環として世界銀行やIMFの意思決定方法などについての改革を提起。国連においては国連総会や安保理事会と同格の世界経済理事会の創設が必要とし、ここが地球規模の金融・経済問題の解決や環境問題などでイニシアチブをとっていくよう求めています。


 国際通貨・金融改革専門家委員会 世界金融危機と経済混乱を受けて昨年十一月、デスコト国連総会議長の呼びかけで、国連が中心となる新しい経済秩序の提言をとりまとめるために設置。委員長は、経済のグローバル化の下での貧困・格差の拡大を告発してきたノーベル経済学賞受賞者、ジョゼフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授(元世界銀行副総裁)。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp