2009年3月24日(火)「しんぶん赤旗」

あおむけ事故続発

横転・炎上のMD11型機

全損、12年で6件


地図

 成田空港で二十三日、着陸に失敗し、炎上したフェデックス機は、MD11型機で、「欠陥機」ともいえる航空機です。MD11型機が全損する重大事故が十二年間で六件も発生し、今回のように着陸時に滑走路上であおむけになって大破するという他の機種では見られない重大事故も繰り返されているからです。

 MD11型機が宙返り状態で炎上したケースはこれまでに三回発生。九九年八月には台風の強風のなか香港国際空港に着陸しようとした中華航空機の機体がひっくり返り爆発炎上し、死者三人、二百人以上が負傷しました。

 MD11型機のメーカーのマクドネル・ダグラス社(後にボーイング社に吸収合併)の内部資料によると、操縦士の操作に対して昇降舵(だ)、方向舵、補助翼など舵(かじ)の動きが〇・二秒遅れて反応することが明らかになっています。この遅れは、着陸時に横から突風を受けたとすると舵の反応が遅れるため、操縦士がさらに舵を切ってオーバー操作になってしまうなど、その後の操縦に支障をきたす要因にもなります。

 燃費効率を高めるため尾翼を小型化し、経済性追求の設計となったMD11型機は機首の上下方向のコントロールが不安定になる問題も指摘されています。すでに生産中止の機種ですが、貨物機などに使われており、事故原因の徹底究明が迫られています。(宇野龍彦)

表

 フェデックス 一九七一年創立の米大手貨物航空会社。同社のホームページによると、約六百七十機の飛行機を保有し、世界二百二十以上の国と地域で営業しています。従業員数は全世界で十四万人以上。本社テネシー州メンフィス。


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