2009年3月22日(日)「しんぶん赤旗」
「G20で金融改革提案」
ブラジル・アルゼンチン 首脳が一致
【メキシコ市=島田峰隆】南米ブラジルのルラ大統領は二十日、同国を公式訪問中のアルゼンチンのフェルナンデス大統領とサンパウロで会談しました。報道によると両首脳は、四月二日にロンドンで開かれる主要二十カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会議)で、先進国中心の国際金融制度の改革を共同提案することで一致しました。
詳細は明らかにされていませんが、ルラ氏は記者会見で「今の国際金融機関は、アジア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンで起きた危機のように、新興国で問題が起こるという想定でつくられている」と批判しました。
また米国との関係では、「G20の場でブラジルと米国の間に合意はない」と指摘。「ブラジルの立場は、アルゼンチンおよびG5(ブラジル、メキシコ、中国、インド、南アフリカ)とともにある」と語りました。
フェルナンデス氏は、「国際金融機関には批判に対応する力が欠けている。方向喪失と対応不能の状態は懸念すべきことだ。深い改革が必要だ」と強調。「金融サミットは、世界が変化したということを認識する柔軟性を国際金融機関が持っているかどうか、確かめる機会にもなるだろう」と述べ、先進資本主義国中心の国際金融秩序の改革を促す考えを表明しました。
金融サミットには、中南米からブラジル、アルゼンチン、メキシコの三カ国が参加します。

