2009年3月20日(金)「しんぶん赤旗」

脱税逮捕・大賀社長の「大光」

御手洗キヤノン会長の私有地管理

私生活でも関係密接


 キヤノン工事裏金・脱税事件で逮捕された大賀規久容疑者が社長を務めるコンサルタント会社「大光」(大分市)が、日本経団連会長の御手洗冨士夫キヤノン会長の私有地を駐車場として管理するなど、業務だけでなく私生活でも密接な関係にあることが、あらためて浮き彫りになっています。(矢野昌弘)


 大光が管理しているのは、大分市のJR大分駅近くの住宅地にある広さ五百六十平方メートルの土地です。

 不動産登記によると、同地は二〇〇二年三月から御手洗会長の私有地となっています。アスファルトで舗装され、二十七台分の月極駐車場となっており、フェンスには「大光」と書いた看板に同社の電話番号が記されています。大分市内の不動産業者によると、この土地周辺の駐車場料金は一カ月六千―七千円ほどといいます。

 キヤノン広報部によると、二〇〇三年四月からこの場所の管理を御手洗会長が個人的に大光に委託したとしています。御手洗会長は「駐車場の工事費は別途、私が支払っており、(大光との)契約内容は適正だった」とコメントしています。

 市内の不動産事情に詳しい業者は「駐車場の管理業者が市内に数多くいる中で、なぜ大光だったのか。管理を頼むからには親密な関係がやはりあったのだろう」と話します。

 二人の関係をめぐっては、御手洗会長が大賀容疑者を「長年の友人」と説明。これまでも「大光」の関連会社が、横浜市にある御手洗会長宅の用地取得や建設をしていたことがわかっています。

 御手洗会長は裏金・脱税事件について「キヤノンも私も事件に関与していないことははっきりしている」と関与を否定しています。

 しかし「大光」関連会社の受注の大半はキヤノン関連。グループ会社のひとつで内装工事業「ライトブラック」(大分市)が、〇五年六月から〇八年五月末の間にキヤノン関連の工事を四十一件受注していました。同社の建設関連での売上額の72%超を占めるキヤノンへの依存ぶりです。同じく関連会社の「匠」も、キヤノン本社の役員室改修工事などを請け負っています。

 こうしたキヤノン依存について大賀容疑者は、周囲に「御手洗会長がバックにいるから仕事がきているんだぞ」と吹聴しています。


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