2009年3月17日(火)「しんぶん赤旗」

大阪府立国際児童文学館の廃止

寄贈物の返還求める

鳥越信氏らが提訴


 大阪府の橋下徹知事が府立国際児童文学館(吹田市)の廃止、府立中央図書館(東大阪市)への移転を強行しようとしている問題で、同館に資料を寄贈している児童文学者の鳥越信氏ら四人が十六日、知事に対し、寄贈物の返還を求め、大阪地裁に提訴しました。

 鳥越氏は十七万点以上にのぼる寄贈のうち、明治〜大正時代に発行され、同館に唯一全巻そろう「日本一ノ画噺」全三十五巻など約一千点を請求。三氏と合わせ約千二百点の返還を求めています。

 訴状によると、鳥越氏は自ら集めた十二万点を寄贈する児童文学館の設立を公募し、大阪府に決定。設立趣意書は「資料の収集・整理・保存、情報提供・研修とともに資料の調査研究を行う総合資料センター」とし、専門員の配置を条件に一九八四年、十分なスペースがある吹田市の万博公園内に開設されました。

 鳥越氏の寄贈はこの趣旨にもとづく大阪府との「寄贈契約」だとし、図書館移転は、寄贈資料の研究資料・文化財としての価値を完全に失わせ、契約に反するとしています。

 鳥越氏は、「府に話し合いを求めてきたが、あまりに不誠実。信義にもとる」と強調。弁護団は「新たなスポンサーをさがして存続させる。それに府も協力してほしいという提訴だ」と語りました。



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