2009年3月17日(火)「しんぶん赤旗」

米艦の民間港寄港24回

08年 90年以降2番目の多さ


グラフ

 二〇〇八年に米軍艦船が日本の民間港にのべ二十四回寄港したことが、外務省が衆院予算委員会に提出した資料で分かりました。一九九〇年以降最多だった二〇〇六、〇七年の二十八回に比べ四減となっていますが、それに次ぐ数です。外務省の資料は、日本共産党国会議員団が要求したものです。

 〇八年の特徴の一つは、米原子力空母が米海軍佐世保基地(長崎県)に寄港するなどした際、その随伴艦が日本各地の民間港に寄港していることです。

 具体的には、▽二月に米原子力空母ニミッツが佐世保基地に寄港した際、同空母打撃群の巡洋艦プリンストンが博多港(福岡県)に寄港▽五月には通常型空母キティホークとニミッツが太平洋上で実施した合同訓練に参加した駆逐艦オカーンが宿毛港(高知県)、フリゲート艦ルーベン・ジェームズが徳島小松島港に寄港▽七月に米原子力空母ロナルド・レーガンが佐世保基地に寄港した際には、同空母打撃群の駆逐艦グリッドリーが博多港に寄港―などです。各地の港が、米原子力空母打撃群がアジア太平洋地域に展開する際の拠点になっています。

 もう一つの特徴は、米海軍横須賀基地(神奈川県)を母港にしている米軍艦船が「ミサイル防衛」任務で日本海に展開した際、民間港に立ち寄っているとみられることです。二月に石狩湾新港(北海道)に寄港した駆逐艦ジョン・S・マッケイン、六月に呉港(広島県)に寄港した巡洋艦シャイローと駆逐艦スティーザム、十一月に博多港に寄港した駆逐艦カーチス・ウイルバーなどは、ミサイルの探知と追尾能力に加え、迎撃能力も持っているとされます。

 日米両政府は、在日米軍再編に関する合意(〇五年十月)に、軍事協力を向上させる分野として港湾の使用を明記。米軍がアジア太平洋地域に介入する際などの日米共同作戦計画を検討するため、民間港の詳細な調査を行うことを盛り込んでいます。〇六年からの米軍艦船の民間港寄港の急増にはそうした背景があるとみられます。

表


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