2009年3月7日(土)「しんぶん赤旗」

毎年数センチ地盤沈下

府庁移転先周辺 党府議団が会見

大阪


 日本共産党大阪府議団(宮原たけし団長)は六日、府庁内で記者会見し、橋下徹知事が府庁移転をめざす大阪ワールドトレードセンタービル(WTC、大阪市住之江区)の周辺の地盤が沈下していることを明らかにしました。

 議員団が明らかにしたのは、同議員団の要請で府が提出した大阪市の調査結果と市民団体が情報公開請求で得た資料。WTCは南港を埋め立てた人工島に建つ二百五十六メートルの超高層ビルで、敷地は一九九一年から九五年にかけて十三・八センチ沈下。二〇〇二、〇三、〇五年は各〇・七センチ沈下しています。周辺の地盤では〇二年度から〇六年度で毎年数センチ沈下し、五年間で最大十三・八センチ沈下しています。

 大阪府・大阪市構造物耐震検討委員会の澤田純男委員長(京都大学防災研究所教授)の論文で、東南海地震で大阪湾岸では兵庫県南部地震以上の大規模で水に近い状態の液状化が発生する可能性や、超高層ビルでは予測を超える大きな被害がでる可能性があるとしていることを明らかにしました。

 宮原団長は、「府民の防災拠点の府庁が助けられる側になりかねない」とのべ、移転をめぐる財政シミュレーションなどでも資料が意図的だと指摘。「事実を伏せたりねじまげたりしたまま議論されようとしている。異常事態だ。移転案は撤回すべきだ」と述べました。



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