2009年3月4日(水)「しんぶん赤旗」

安永さん取り押さえ急死事件

警官1人に付審判

佐賀地裁


 佐賀市の安永健太さん=当時(25)=が警察官らに取り押さえられた直後に死亡した問題で、佐賀地裁が、遺族側から付審判請求を申し立てられた警察官五人のうち一人を、特別公務員暴行陵虐罪で審判に付す決定をしていたことが三日、分かりました。遺族側弁護人が明らかにしました。

 遺族側は請求を棄却された残り四人について、不服申し立てをおこなう方針です。

 付審判請求は、公務員権乱用や特別公務員暴行陵虐などの罪について、告訴・告発人が不起訴に不服がある場合、裁判を行うことを裁判所に請求できる制度。付審判決定は起訴と同一と見なされます。

 付審判決定は二日付。決定書によると、この警察官は二〇〇七年九月二十五日午後六時五分ごろ、佐賀市内の歩道で、職務執行として安永さんを保護する際、素手で胸などを数回殴る暴行を加えました。

 県警はこれまで、警察官らが自転車で蛇行運転する安永さんを発見し、停止を求めましたが、安永さんが従わず、追突したバイクをけるなど暴れたため取り押さえたとし、暴行はなかったと説明しています。

 しかし、取り押さえられた安永さんは、心肺停止状態となり、搬送先の病院で、同日午後七時に死亡が確認されました。

 遺族は〇八年一月に特別公務員職権乱用等致死の疑いで署員らを告訴しました。しかし、佐賀地検が不起訴処分としたため、同年四月に付審判請求を申し立てていました。


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