2009年3月4日(水)「しんぶん赤旗」

「西松の金」 小沢氏に突出

資金管理団体などへ3100万


 「何の問題もない。適切に処理している」―。民主党の小沢一郎代表(衆院岩手4区)が三日午後の同党幹部会で、こう述べた直後、事態は急展開しました。準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)のОBが設立した政治団体の献金をめぐり、同日、東京地検特捜部が政治資金規正法違反の疑いで、小沢氏側の政治団体の強制捜査に踏み切り、公設秘書の会計責任者らを逮捕したのです。政治献金の原資は、西松建設が海外などでつくった裏金とされ、徹底的な解明が必要です。(藤沢忠明)


 小沢氏側に献金していたのは、「西松建設」が企業献金を行う隠れみのとして、いずれも営業管理部長を経験したОBを代表として設立した「新政治問題研究会」(一九九五年設立、二〇〇六年解散)と、「未来産業研究会」(九八年設立、〇六年解散)。

 政治資金収支報告書によると、小沢氏の資金管理団体「陸山会」は、「新政治問題研究会」から千六百万円、「未来産業研究会」から五百万円の計二千百万円(〇三―〇六年)を受け取っています。また、小沢氏が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」は、「新政治問題研究会」から七百万円、「未来産業研究会」から三百万円の計一千万円(〇四―〇六年)をもらっています。

 小沢氏側への西松建設側からの献金は、計三千百万円になります。

 小沢氏が最高顧問に就任している「民主党岩手県総支部連合会」にも、「西松建設」関連の二つの政治団体から、同時期に計千百万円の献金がありました。

 西松建設の裏金持ち込み事件では、東京地検特捜部が二月十日に前社長国沢幹雄容疑者(70)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=を外為法違反で起訴しています。

 ゼネコン汚職などへの批判の高まりのなかで、二〇〇〇年以降、政治家個人の資金管理団体への企業・団体献金が禁止されたため、社員や家族からОB関連の政治団体の「会費」を集め、政界にばらまくという手法は、国沢氏が考案したとされます。

 二つの政治団体が小沢氏側を含め、十数人の政治家側にばらまいたカネは、総額約四億七千万円に上ります。西松建設のダミー政治団体のカネの流れと、その趣旨の全容解明が必要です。

自民・尾身氏2000万、二階氏800万…

 西松建設の関連政治団体から、献金を受け取っていたのは、小沢氏が群を抜いていますが、自民党、国民新党、改革クラブの各国会議員の名前もあります。資金提供を受けた側の政治家の資金管理団体、関連政治団体、政党支部の政治資金収支報告書を調べたものです。

 それによると、自民党では、尾身幸次元財務相が二千八十万円、二階俊博経済産業相に八百六十八万円(派閥ふくむ)、加藤紘一元幹事長に千四百万円、藤井孝男元運輸相・六百万円、森喜朗元首相・五百万円、山口俊一首相補佐官・二百万円、川崎二郎元厚生労働相・百四十万円、林幹雄前国家公安委員長・百万円などです。

 民主党は、山岡賢次国対委員長にも二百万円の献金がありました。

 このほか、改革クラブ代表の渡辺秀央元郵政相には三百万円、国民新党副代表の自見庄三郎元郵政相には三十万円となっています。

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