2009年3月2日(月)「しんぶん赤旗」

ASEAN共同体へ行程表

金融危機で協調強化

首脳会議が閉幕


 【ホアヒン(タイ中部)=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は一日、二〇一五年の共同体構築への新たなロードマップ(行程表)についての首脳宣言を採択して閉幕しました。首脳会議は金融・経済危機について協調を強めていくことで合意しました。


 首脳会議は、「政治・安全保障」「社会・文化」の二つの共同体行動計画と域内の発展格差縮小を図る「統合イニシアチブ」第二行動計画を採択。すでに採択されている「経済」共同体行動計画を含む四つの行動計画が行程表を構成するとし、加盟国は実行を法的に拘束されると宣言しました。その上で分野別閣僚機構と事務局長に宣言の計画実行の監視を指示しました。

 首脳会議は、議長国声明と経済危機に関する報道声明を発表。アジア通貨危機後の「構造改革」の結果、経済危機がさらに地域の貿易と投資に影響し、地域経済は重大な危機にさらされていると指摘しました。

 対策として、各国が取り組んだ財政出動や金融緩和、中小企業を中心とした民間セクターへの支援など国内需要刺激策を歓迎。「協調政策と共同行動が地域レベルで強化されることが重要だ」と強調しました。また、経済における中小企業の役割を強調。「保護主義」に断固とした態度を取ることでも合意しました。

 首脳会議はさらに、金融の安定化のため先進国と発展途上国の協調行動を主張。新興国・発展途上国の利益も配慮したより公平な金融システムの確立を求めました。



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