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2009年2月28日(土)「しんぶん赤旗」

受注7割 キヤノン関連

大賀容疑者のLB社

大分・裏金脱税事件


 キヤノン工事裏金脱税事件で逮捕された大分のコンサルタント会社「大光」社長の大賀規久容疑者(65)が経営する内装工事業「ライトブラック(LB)」(大分市、資本金四千万円)が二〇〇五年以降、キヤノン関連工事で少なくとも十四施設、三十三億円以上を受注、同社の建設関連での売上額の七割以上を占めていることが二十七日、本紙の調べでわかりました。大賀容疑者の事業のキヤノンへの依存ぶりをあらためて示しました。


 LB社は「大光」の関連会社です。大手ゼネコン鹿島などからの巨額の裏金の還流先の一つとされています。

 LB社が東京都に提出した工事経歴書によると、〇五年六月から〇八年五月末までに受注した工事は五十五件。このうち工事名がはっきり記載されたもの四十一件は、すべてキヤノン関連の工事でした。同社の建設関連での売上額の72%超、三十三億四千六百万円余がキヤノン関連によるものでした。

 仕事の多くは、鹿島、大林組、西松建設などゼネコンから下請け発注を受けたもの。今回の事件で、逮捕者をだした内山緑地建設(福岡県久留米市)からの下請け工事も含まれていました。

 作業場所は「キヤノンプレシジョン北和徳第2事業所」(青森県弘前市)、「キヤノン化成岩間事業所」(茨城県笠間市)、「富士裾野リサーチパーク」(静岡県裾野市)、「大分キヤノンマテリアル」(大分市)など、全国各地の十四施設となっています。

 しかし、LB社の事業報告書によると、同社の従業員数は三―四人です。経営の実態と受注規模に不自然なほどの開きがあります。

 LB社が〇七年に出した事業報告では「業界全体的に厳しい状況が続く中、当期はキヤノンの工場等施設の相次ぐ新設に伴う内装・外構関連工事の受注により(中略)過去最高の実績を残す事ができました」と記載。毎年の事業報告で「キヤノン工事が主たるもの」などとしています。

 LB社がキヤノン関連の事業を多数受注している理由について、本紙の取材にキヤノン本社は「ゼネコンの下請けで受注したものについては関知していない。直接発注については塗り床材をLB社と共同開発した経緯があるから」としています。

 裏金・脱税事件をめぐっては、大賀容疑者が「御手洗(冨士夫キヤノン)会長がバックにいるから仕事が来ているんだぞ」と、関係会社の社員らに豪語。関連会社の多くで、キヤノン関連業務が大きな売り上げとなっていました。

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