2009年2月24日(火)「しんぶん赤旗」
アヘン「圧倒的シェア」
アフガン08年 国連機関警告
国連の麻薬監督機関、国際麻薬統制委員会(INCB)は十九日、二〇〇八年の年次報告書を発表しました。報告書は、アフガニスタンの同年のアヘン生産が七千七百トンに上り、依然として世界の生産量の圧倒的なシェアを占めていると警告しています。
アヘンはケシの汁を乾燥させたもので、ヘロインの原料にもなります。
報告書によると、国際社会による転作の奨励の結果、アフガンのケシ耕作面積は二割減少しました。しかし収穫が多かったためにアヘン生産量の減少は6%にとどまり、過去最高だった〇七年(八千二百トン)に次ぐ規模となりました。
ケシが栽培されていない州は五つ増えて十八州となりました。栽培のほとんどは、米軍などの多国籍軍が反政府武装勢力タリバンとの戦闘を繰り広げている南部の州で行われています。
報告書は、タリバンが麻薬の取引に課税することで、毎年二億―三億ドルの資金を得ていると指摘。劣悪な治安情勢と行政官の汚職・腐敗が、麻薬密輸を根絶する上での「最大の障害物」であるとしています。
また、国内でも薬物使用が増加していることや、大麻の栽培が増えていることにも懸念を表明しました。
ロイター通信によると、ロンドンで会見したINCBのハミド・ゴドセ委員長は、「治安悪化と麻薬の生産、密輸は相互に関連している。どちらが原因でどちらが結果なのか、明言するのは難しい」と語りました。

