2009年2月17日(火)「しんぶん赤旗」

直接雇用を 雇い止め撤回を

兵庫労働局に集団申告 日本トムソンの13人


 日本トムソン(本社東京都港区)の兵庫県姫路工場で働く派遣労働者が十六日、偽装請負を含めると五年以上も働かされているとして、同社が労働者派遣法に基づく直接雇用を申し込むよう指導や勧告などを求める申告書を兵庫労働局に提出しました。

 申告したのは、藪下秀和さん(21)ら派遣社員十三人と全日本金属情報機器労組(JMIU)兵庫地方本部日本トムソン支部。同社はベアリングなど製造の東証一部上場企業。

 労働者は二〇〇三年十一月から請負契約として同工場で従事。〇六年八月から派遣に切り替えられたものの、長い人で五年以上も正社員から指揮命令を受け、正社員と混在して仕事をしてきました。

 ところが同社は四月から減産を理由に契約期間が八月二十日まで残っているにもかかわらず、派遣労働者十五人全員の契約を破棄。派遣元のプレミアライン社も雇用継続の努力をせず、三月末での解雇を通知しました。本来なら日本トムソンが正社員に雇うべきだとして十三人が組合に加入し、団体交渉で直接雇用を求めています。

 記者会見した藪下さんは「いらなくなった物や消耗品ではない」と批判。同支部の前尾良治執行委員長は「若い派遣社員は姫路工場の将来を担う大事な人材」と強調し、正社員化は正社員の要求でもあり、ストライキも辞さない構えでたたかうとのべました。

ホンダの鈴鹿製作所

期間社員が労組結成

 ホンダ自動車から解雇を通告された鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)の期間社員三人が十六日、JMIU(全日本金属情報機器労組)鈴鹿分会を結成し、整理解雇通告の撤回などを求めて団体交渉を申し入れました。

 分会を結成したのは陽川裕司さん(25)ら三人の男性社員。ホンダは一月十六日、期間社員三千百人の雇用契約を四月末までに打ち切ると発表。鈴鹿製作所では、わずか二カ月の「細切れ契約」を反復して雇用していた千七百六十人全員に雇い止めを通告しました。

 陽川さんは今月二十二日で雇い止め通告を受けていますが、昨年十二月に入社したばかり。長期間働くつもりで、会社側も面接の際には短期での雇い止めはまったく口にしなかったといいます。

 他の二人は半年前に入社し、契約を更新しながら働いていましたが、それぞれ、今月二十二日と来月二十二日での雇い止めが通告されています。

 組合側は、不必要に短い契約更新を戒める労働契約法に反しており、不当な整理解雇だと指摘しています。

 平田英友JMIU愛知地本委員長、唐沢克昭みえ労連事務局長らとともに記者会見した分会長の陽川さんは、「二カ月だけの仕事と聞いていたらホンダに来なかった。周りの人もみんなそうです。会社には怒りがある。たたかっていきます」と語りました。



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