2009年2月15日(日)「しんぶん赤旗」
新学習指導要領
政治的誘導に懸念
東京 教科書考えるシンポ
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二〇一一年度から小学校で本格実施される新学習指導要領で、教科書はどうなるのかをテーマにしたシンポジウムが十四日、東京都内で開かれ、教師、教科書編集者ら約四十人が参加しました。子どもと教科書全国ネット21などが呼びかけた「教科書を考えるシンポジウム」の第十七回として開かれたもの。
シンポジウムでは新学習指導要領の内容説明のために文部科学省が作成した「解説」について、現場教師らが報告しました。
小学校教師で数学教育協議会・町田算数サークルの男性は、小学校算数の新指導要領と「解説」の問題点の一つとして、筆算を軽視し、暗算主義になっている問題などを指摘。苦手な子にも暗算をむりやり教え込むことになってしまうと述べました。小学校教師で歴史教育者協議会常任委員の男性は、小学校社会科の新指導要領の「一番大きな問題は社会科の『道徳』化だ」と強調しました。
社会科教科書の編集者は、教科書の内容に対して拘束力を持たないはずの「解説」に、文科省は「心理的拘束力を持たせている」と指摘。東京都教育委員会が作成した「教科書調査研究資料」を例に、教科書の内容を政治的に誘導する動きがあることを指摘しました。
参加者は、編集者と教師がどう協力して教科書を改善していくかなどを議論しました。
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