2009年2月8日(日)「しんぶん赤旗」
NHK経営委員長の会社
受信料業務を代行
七日、東京で開かれた「視聴者のみなさまと語る会〜NHK経営委員とともに」で、参加した醍醐聰東大教授が、小丸成洋(こまる・しげひろ)NHK新経営委員長とNHKの委託業務の関係について指摘しました。
問題にしたのは、受信料の訪問集金や口座振替の取り次ぎなどといった「宅配事業者への業務委託の試行」です。質問の趣旨は、(1)収納業務の委託先に小丸委員長が代表取締役社長を務める福山通運(本社・広島県福山市)がなっている、試行とはいえ、「NHKと特別な利害関係にないこと」というNHK経営委員の選考基準に反しないのか(2)契約は本契約に進んだのか(3)試行のときの契約は入札による契約なのか―の三点です。
これに対して小丸委員長は、「郵政民営化に伴い、NHKから地域において回収してほしい、との声が出た」と話しました。NHKの大西典良理事からは、昨年十月、訪問集金が廃止されるにあたり、これまで郵便局に委託していた山間部や島しょ部の集金をどの業者に代行してもらうか試行しているとの説明だけで、明快な回答はありませんでした。
訪問集金の廃止は、NHK経営計画の方針の一つ。経費削減を名目にしています。「語る会」終了後、大西理事は、契約はまだ試行段階であること、試行については入札ではないこと、試行業務にあたったのは福山通運のみであることを明らかにしました。
視聴者のみなさまと語る会〜NHK経営委員とともに 視聴者の意見をNHKの経営に反映させるため、昨年施行された改定放送法に規定(第一四条3項)されています。年六回以上の実施が定められ、これまで名古屋、大阪、札幌、松山、広島の五都市で開催。

