2009年2月4日(水)「しんぶん赤旗」

国会定数減 増税のため

自民議員の質問に

首相「大変重要」


 国民に消費税引き上げを理解してもらうために国会議員の定数削減を―。三日の衆院予算委員会で、自民党議員と麻生太郎首相との間でこんな議論が交わされました。「身を削る」ふりをしながら民意を削り、消費税増税に流し込む狙いがはっきりしました。

 自民党の田野瀬良太郎議員は、現在の衆参両院の二院制を一院制にしての大幅な議員削減論を展開したうえで、「消費税を上げるまでに、衆院議席を大幅に削減するぐらいのことはぜひやっていただきたい」と要求しました。

 これに麻生首相は「政治家が先頭をきって定員を削減するとか、歳費を削減するとか、政党助成金(を削減する)とかに取り組むのは大変重要なことだ」と応じ、これらのテーマで二日、自民党の党改革実行本部長を務める武部勤元幹事長に対し検討に入るよう指示をしたと述べました。

 自民党は五日から関係会合を開き、国会議員定数削減などの議論に入る予定。田野瀬氏の質問は、首相指示と党内の動きを踏まえてのものです。

 麻生首相は、定数削減とともに、税金山分けの政党助成金の削減に言及し始めましたが、これも消費税増税のために“いかに国民にアピールできるか”を狙ったものにすぎません。与謝野馨経済財政担当相は国民に負担増を求めるうえで「政党助成金も五割カットするぐらいのことを言ってみせないと」(一月二十日の記者会見)と説明しています。

 国民と国会を結ぶパイプである国会議員の削減は、民意の切り捨てにつながる重大問題です。消費税増税の地ならしに民意を削ることは許されません。政党助成金は削減でなく廃止すべきです。(高柳幸雄)


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