2009年1月31日(土)「しんぶん赤旗」
公正取引・適正運賃を
トラック労使 政府・業界へ要請
建交労のトラック部会と経営側でつくる中央運輸労使協議会は三十日、関係省庁と業界団体に対し、公正な取引や適正運賃の実現などに向けた対策強化を要請しました。
労使の約六十人が参加し、国土交通省や経済産業省、公正取引委員会、全日本トラック協会などに要請。不適正な取引を防ぐための「下請・荷主適正取引推進ガイドライン」の実効性を上げる抜本的改善や社会保険未加入事業者への対応、資金繰り対策の強化や荷主などの一方的な運賃引き下げの防止などを求めました。
労使協議会が行った経営アンケートの中間集計(六百四十一社)では、国交省の昨年三月の指針で、荷主と運賃交渉し燃料高騰分を転嫁できた事業者が増える一方、赤字経営は53・7%に増加。経営悪化の要因として、仕事量の減少が61%と急浮上しています。運賃交渉を持ちかけたことで取引停止にされた事業者も三十五社にのぼっています。
要請後、記者会見した片岡運輸(大阪市)の花岡重成総務部長は、労使共同の要請によって国に指針を出させるなど前進させてきたと評価。一方、対策の不十分さや銀行の貸し渋りなどから、「中小企業に景気悪化のしわ寄せが確実に来ている」とのべ、いっそうの対策を求めました。
建交労の佐藤陵一委員長は、危機的な現状についてトラック協会とも認識は一致したと指摘。労使協議会として、労働者の雇用確保や労働条件向上のためにも経営環境の改善が求められており、現状の打開に向けて運動していくとのべました。

