2009年1月22日(木)「しんぶん赤旗」

高すぎる国保料(税) どうすればいい?


 〈問い〉国保料(税)があまりに高すぎます。日本共産党はどこに問題があり、どうすればいいと考えているのですか?(大阪・一読者)

 〈答え〉年収200万円台で30万円、40万円の負担を強いられるなど、多くの自治体の国民健康保険料(税)は、住民の負担能力をはるかに超える額となっています。08年6月時点で、国保料(税)の滞納は453万世帯、加入世帯の2割以上が払えていません。滞納を理由に保険証を取り上げられた人が、病院にかかれず重症化・死亡する事件も各地で続発しています。

 こうした事態を招いた元凶は、歴代政権の社会保障切り捨て政治です。加入者の過半数が年金生活者などの「無職者」で、低所得者が多く加入する国保は、国の適切な財政支出があってはじめて成り立つ医療保険です。

 ところが、自民党政府は1984年の国保法改悪で、国保への国庫負担率を、医療費の45%から38・5%に削減し、その後も、事務費や保険料軽減措置などへの国の財政支出を廃止・削減してきました。

 その結果、市町村国保の総収入に占める国庫支出は、49・8%(84年度)から30・4%(05年度)に減っています。同時期に、一人当たりの国保料(税)は、3万9千円から8万円へ、2倍以上となりました。まさに、国庫負担の削減と表裏一体で保険料の高騰がすすんだのです。

 また、この間、大企業の雇用破壊により、失業者や非正規労働者が大量に国保に流入しています。「構造改革」による市場化・規制緩和は、自営業者や農林漁業者の経営難も加速しました。国庫負担の削減による財政悪化と国保加入者の“貧困化”があいまって、保険料が高騰し、滞納者が増え、財政が悪化するという悪循環が拡大しているのです。

 国保料(税)を引き下げ、国保を再建するには、国庫負担の増額が不可欠です。日本共産党は、「構造改革」によって削減された国の社会保障予算を復活させ、国保料を一人1万円、引き下げることを総選挙の公約としています。これを突破口に、国庫負担を計画的に84年以前の水準に戻し、だれもが払える国保料(税)にしてゆきます。低所得者への減額・免除制度を拡充し、保険料の算定方式も見直して、所得に応じた国保料(税)に改革します。生活困窮者からの保険証取り上げは、ただちにやめさせます。

 国民の命と健康をまもる公的医療保険が、高すぎる保険料でくらしを脅かし、貧困に苦しむ人を医療から排除するなど、本末転倒です。日本共産党は、国保料(税)を引き下げ、国保を再建するために力をつくします。(谷)

 〔2009・1・22(木)〕


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