2009年1月22日(木)「しんぶん赤旗」
オバマ大統領が就任演説
「米国の再生」を訴え
危機の深さと変化の必要強調
【ワシントン=西村央】「変革」を掲げて、昨年十一月の米大統領選挙に勝利した民主党のバラク・オバマ氏(47)は、二十日正午(日本時間二十一日午前二時)すぎ、連邦議会議事堂で宣誓し、第四十四代大統領に就任しました。アフリカ系アメリカ人の大統領は米国史上初めてです。オバマ氏は就任演説で、米国が直面する危機の深さと変化の必要を強調。ブッシュ政治の負の遺産を克服して「米国を再生させよう」と呼びかけました。
議会議事堂からリンカーン記念堂にいたる約四キロの公園・モールを埋めた二百万人の聴衆が見守るなか、オバマ氏は、同じイリノイ州出身の第十六代大統領リンカーンが一八六一年の就任時に使用した聖書に手を置いて宣誓しました。
約二十分の就任演説でオバマ氏は、「世界は変わった。われわれも変わらなければならない」と変化を強調。「米国は新しい平和の時代で、先導する役割を果たさなければならない」と述べました。
さらに「米国はもっとも繁栄した、強力な国家であり続ける」と述べ、経済では「大胆かつ迅速な行動が必要とされている。新たな雇用の創出のみならず、成長の基礎をつくるために行動する」として、景気回復と経済の再生に取り組む意欲を示しました。
対テロ戦争では「(敵を)打ち負かす」と強調する一方、「責任を持って、イラクをイラク人に引き渡し、アフガニスタンに平和をもたらす」と表明。イスラム社会に対して「相互の利益と尊重を基礎に、新しい道筋を追求する」と述べました。
核兵器問題では「核の脅威を軽減するためにたゆみない努力を続ける」と述べました。

