2009年1月14日(水)「しんぶん赤旗」

オリックスへの一括譲渡の“怪”

かんぽの宿 32億円安

グループの総帥宮内氏 「民間開放」旗振り

想定総資産額比


 日本郵政(西川善文社長)が、旧日本郵政公社から引き継いだ保養・宿泊施設「かんぽの宿」七十施設をオリックスの100%子会社「オリックス不動産」に一括譲渡することを決めたことに、鳩山邦夫総務相が「見直し」を求めるなど、波紋が広がっています。


 「かんぽの宿」は、簡易保険加入者の福利厚生を目的として全国各地の海辺や湖畔、山里、温泉郷などに建設されたものです。二〇〇七年十月の郵政民営化までは、「○○保養センター」「○○加入者ホーム」が正式名称でした。民営化時に「かんぽの宿○○」となり、簡易保険(かんぽ生命保険)加入のいかんにかかわらず、利用できるようになり、年間二百五十万人以上が宿泊しています。いわば、国民の共有財産です。

 二〇一二年九月までに譲渡・廃止することが法律で決められています。

 日本郵政などによると、同社は昨年四月、譲渡先公募を開始。国内外の投資ファンドやリゾート会社など二十七社が応じました。二度の競争入札を経て、昨年十二月二十六日、オリックス不動産への一括譲渡が決まりました。

 日本郵政は、「かんぽの宿」の事業を継承する子会社を設立し、四月一日に首都圏にある日本郵政の社宅九カ所とともに譲渡する予定です。新会社設立には総務相の認可が必要です。

 鳩山総務相が六日、オリックス側への一括譲渡に「異議」を唱えたのは、こうした経緯によるもの。オリックスグループの総帥、宮内義彦最高経営責任者は、政府の総合規制改革会議議長、規制改革・民間開放推進会議議長として、「民間開放」の旗振り役でした。こうしたことから、鳩山総務相は「出来レースと受け取られる可能性がある」「国民が納得しなければ、不認可も十分ありうる」と言明しました。

 総務省の田中順一官房長は八日、「かんぽの宿」七十施設の譲渡予定額は百八億八千六百万円であることを明らかにしました。

 しかし、日本郵政の同省への説明文書によると、譲渡する施設などの〇九年三月期末時点の想定総資産額は百四十一億五千万円。譲渡額は三十二億円以上も下回っています。


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