2009年1月13日(火)「しんぶん赤旗」
独立法人の競争入札
1社だけ応札45%
07年度 癒着の温床要因に
国が所管する独立行政法人(百二法人)が二〇〇七年度に実施した一般競争入札のうち、参加企業が一社だけだった「一者応札」が45%にのぼることがわかりました。総務省の「政策評価・独立行政法人評価委員会」(政独委)が調査結果を発表したもの。
これによると、〇七年度に独立行政法人が実施した一般競争入札は、二万四千百六十八件で、うち「一者応札」は一万七百六十八件(44・6%)でした。
所管省庁別の「一者応札」の割合では、総務省が六百三十九件中、四百八十九件(76・5%)と群を抜いて高くなっていました。
事業ごとに公共事業執行型、助成事業執行型など六つに分類すると、研究開発型が七千六百七十七件中、四千六百三十五件(60・4%)と、もっとも高く、もっとも低い政策金融型も五百十件中、百四十三件(28・0%)に上りました。
個別の独立行政法人では、国土交通省所管の電子航法研究所が百二十二件中、百四件(85・2%)、交通安全環境研究所の百四十六件中、百二十一件(82・9%)、総務省所管の情報通信研究機構の五百六十六件中、四百六十六件(82・3%)、文部科学省所管の理化学研究所の六百一件中、四百八十五件(80・7%)と、四法人が80%を超えていました。
公共事業執行型は、千七百五十八件中、五百六十七件(32・3%)でしたが、このうち、国交省所管の水資源機構は、五百七十六件中、三百五十九件(62・3%)と高率を示しました。〇七年に談合事件が発覚、昨年四月に廃止された農水省所管の緑資源機構は、二百三十八件中、四十二件(17・6%)でした。
独立行政法人は、水資源機構の理事長が元国土交通事務次官、副理事長が農水省農林振興局長といったぐあいに、役員を天下り官僚が多く占めています。
入札参加が一社だけの場合、業者間の競争が生じず、癒着の温床やコスト増の要因ともなります。このため、政独委は、各府省の独立行政法人評価委員会に対し、入札参加の阻害要因などについて十分検証するよう文書で改善を求めました。

