2009年1月11日(日)「しんぶん赤旗」

住民閉じ込め砲撃

ガザ 乳児ら30人殺害

イスラエル


 【カイロ=松本眞志】国連人道問題調整事務所(OCHA)は九日、イスラエル軍がパレスチナのガザ地区での地上戦開始直後の五日、住民三十人を故意に殺害したことを明らかにしました。

 OCHAの報告によると、イスラエル軍は、ガザ市内ザイトゥン地区で、住民百十人を一棟の建物内に誘導して、建物内にとどまるよう指示しました。そのうえで二十四時間後に戦車による砲撃を加えました。生存者は二キロほど徒歩で避難し、自家用車で病院に運ばれたといいます。死者には生後五カ月の子どもが含まれていました。OCHAは、報告の中で、「イスラエル軍の軍事作戦開始後で最も重大な事件」だと指摘しています。

 イスラエル軍側は事件に関知しないとの立場をとっていますが、イスラエルの人権団体ブツェレムは、イスラエル軍によって強制的に建物に移動させられたという十九歳の少女の証言を紹介。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラも、胸と足に負傷、水や食料がないなかで遺体に囲まれて救援を待っていた十三歳の少年について報じ、赤十字国際委員会やパレスチナ赤新月社のスタッフが救援に向かうことをイスラエル軍が妨害したとしています。


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