2009年1月4日(日)「しんぶん赤旗」

温暖化対策

交渉、正念場の年

年末が期限 取り残される日本


 二〇一三年以降の地球温暖化対策の新たな国際協定の合意期限となる二〇〇九年末まで一年を切りました。二〇年ごろまでの温室効果ガス削減の中期目標で各国がどこまで義務を負うかが、大きな焦点です。この正念場の年を迎え、日本は中期目標を決めないまま。国際交渉をリードするどころか、取り残されかねない状況です。

 昨年十二月にポーランド・ポズナニで開かれた国連気候変動枠組み条約第十四回締約国会議(COP14)は、今年十二月にコペンハーゲンで開かれるCOP15に向けた交渉日程を決めました。三―四月の会合までに各国が新協定に向けた提案を出し、六月にボンで開く会合までに新協定交渉の土台となる最初の草案を作成します。

 新協定の焦点となる中期削減目標について、欧州連合(EU)は昨年末、「二〇年までに一九九〇年比で20%削減し、再生可能エネルギーの比率を20%にする」という「20―20―20」の目標を正式に決定しました。他の先進国が大幅削減に踏み切れば30%削減を目指す方針です。

 今月末就任のオバマ次期米大統領は、二〇年までに九〇年比0%にすると公約しています。ポズナニでCOP14と同時に開かれた京都議定書の特別作業部会で確認された「25―40%幅の削減」という先進国目標と比べると極めて不十分です。しかし、二五年までは削減しないというブッシュ政権の方針や、米国の排出量が〇六年で14%以上増加していることを考えれば、大きな転換となります。

 カナダやオーストラリアも中期目標を示すなか、日本は中期目標をいまだ掲げない、数少ない先進国の一つとなっています。

 政府の中期目標検討委員会の初会合が開かれたのが昨年十一月二十五日。削減目標に応じた複数のシナリオを今春にも示すとしています。それから政府で議論し、閣議決定するとなれば、国連の交渉日程に間に合わない危険性があります。

 政府は、オバマ政権の温暖化政策が固まるのを待って、中期目標も含めた日本の対応を決めようとしています。温暖化問題で現政権よりはるかに前向きの姿勢をとる新政権との間で、事態がどう進むかは不透明です。



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