2008年12月30日(火)「しんぶん赤旗」

政管健保→「協会けんぽ」になり

保険料率に地域差

最大1・04ポイントに


 中小企業のサラリーマンが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ=旧政府管掌健康保険)の都道府県ごとの保険料率の差がひらくという試算結果を、厚生労働省が公表しました。同省は、来年三月までに保険料率を決める予定。五年間の「激変緩和」措置をとるとしていますが、保険料負担が地域で異なることに批判が出ています。

 「協会けんぽ」(加入者数約三千六百三十万人)は今年十月、社会保険庁の運営から切り離されて発足した非公務員型の公法人です。都道府県ごとにつくられた協会支部が事業を実施します。

 保険料率は、政管健保では全国一律8・2%(これを労使で折半)でしたが、「協会けんぽ」は、「地域の医療費を反映する」として、都道府県ごとに保険料率を設定するとしました。

 厚労省が二〇〇七年度の医療費などをもとに試算したところ、最高は北海道の8・88%で、最低は長野県の7・84%となりました。1・04ポイントの格差です。全国平均保険料率も8・35%(現在は旧政管健保と同じ8・2%)になります。

 保険料率は、都道府県ごとにかかった医療費をもとに計算するため、“医療費がかかると保険料に跳ね返る”“他の県より医療費がかかるのは問題だ”と都道府県ごとに医療費抑制を競わせる結果をもたらします。

 都道府県ごとの保険料率への移行は、来年九月末までに実施する予定。来年三月までに都道府県支部ごとに保険料率を決め、厚労相の認可を受けます。料率の具体案は一月にも示すとしています。

 厚労省は二〇一三年までは「大幅に上昇する場合には、激変緩和措置を講ずる」としていますが、その後、大きな差が開くことは必至です。

 厚労省は当初〇九年度の全国平均保険料率を8・3―8・5%へ引き上げる計画でした。しかし、医療費の伸びが想定を下回ったため、積立金を取り崩せば、現在の8・2%に据え置くことは可能だとしています。これをおこなった場合、単年度収支は千五百億円の赤字となり、積立金残高も八百億円に減少する見通しです。財政状況の悪化は避けられず、将来的に国の運営から切り離したことによる財政上の影響が懸念されます。

 医療費がかかる都道府県に保険料率アップを迫るという、制裁のようなやり方は中止すべきです。


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