2008年12月29日(月)「しんぶん赤旗」

ガザ空爆

市民犠牲に批判高まる

イスラエル 地上部隊投入も準備

ハマス ロケット砲攻撃継続


 【カイロ=松本眞志】イスラエル軍の一般市民を巻き込んだパレスチナのガザ地区に対する大規模空爆とハマスのロケット砲攻撃は、二十七、二十八の両日に及び、パレスチナ側で千人近い死傷、イスラエル側で五人の死傷が伝えられる重大な事態となっています。

 カタール政府は二十八日、事態への対応を焦点に、アラブ連盟の定例首脳会議を同国の首都ドーハで来月二日に開催すると発表しました。アラブ連盟のムーサ事務局長とヨルダンのアブドラ国王も二十七日、問題解決のための緊急外相会議を招集しました。

 アブドラ国王は「罪のない子どもと女性を虐殺した」と強い調子でイスラエルを非難。ムーサ氏はイスラエルの行為を「衝撃的で受け入れがたい」と糾弾し、国連安保理に必要な措置を求めました。

 アラブ連盟加盟各国外務省、トルコ外務省、イスラム諸国会議機構(OIC)、湾岸協力会議(GCC)も相次ぎイスラエルの行動を「殺人行為」「残虐な攻撃」と非難し、攻撃の即時停止を求める声明を発表しました。

 エジプト訪問中のパレスチナ自治政府のアッバス議長は二十八日の会見で、ハマスに対して対立を解消し、侵略に共同して対処するよう訴えました。

 一方、イスラエルのバラク国防相は同日、予備役を招集し、戦車部隊を地区外に待機させるなど地上部隊による攻撃を準備。前日にはハマスを国際テロ組織アルカイダになぞらえ、「ハマス一掃まで攻撃を続ける」と断言しています。

 イスラエルのオルメルト暫定首相も二十七日の会見で、「必要とあれば攻撃を拡大する」と言明。ガザ地区住民に対しては「あなた方は敵ではない。攻撃目標は市民の犠牲を避けるよう選択されている」と弁明しました。

 カタール衛星テレビ・アルジャジーラは、手当てが間に合わずに病院の床に寝かされた市民の遺体、犠牲となった女性や子どもの姿を映像で流し、オルメルト氏の説明との食い違いを指摘しています。

 ハマス側も二十七、二十八の両日、ロケット砲攻撃を継続。メシャル政治局長はガザ地区住民に向けて「第三次インティファーダ(民衆蜂起)」を呼びかけ、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対しても対イスラエル闘争への支援を求めるなど、紛争拡大の懸念も生まれています。


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