2008年12月28日(日)「しんぶん赤旗」

印パに対話呼びかけ

中国外相 平和的解決促す


 【北京=山田俊英】中国の楊潔篪(ようけつち)外相は二十五、二十六の両日、インドのムカジー外相、パキスタンのクレシ外相と個別に電話で会談し、ムンバイで起きたテロ事件をめぐって緊張が高まる両国に対し、対話による解決を促しました。

 中国外務省によると、楊外相は改めてテロ事件を強く非難し、「印パ両国がともにテロを取り締まると表明したことに注目している」と述べました。そして、「印パは中国にとって重要な隣国であり、両国が対話を通じて問題を適切に処理し、関係を絶えず改善し、平和への歩みを進めるよう希望する」と伝えました。

 また、「安定し平和で良好な印パ関係は両国人民の根本利益に合致するだけでなく、国際社会も期待するところだ」との考えを示しました。


インド国境に軍部隊を移動 パキスタン

 ロイター通信やインド・パキスタンの各紙は二十七日、パキスタン軍高官の話として、武装勢力の掃討作戦のため同国北西部のアフガニスタン国境に展開していた部隊の一部がインド国境に移動したといっせいに報じました。

 同通信は軍高官の言葉として「(アフガン国境の)雪に閉ざされた地域と、作戦行動が行われていない地域から、限られた部隊が移動した」と伝えました。パキスタンの英字紙ニューズは、国防省高官が、部隊がインド国境沿いに移動したことを認めたとしています。

 一方でロイター通信は、両国が直ちに戦争にむかうことはないとの専門家の見方も伝えています。

 テロ事件をめぐって、インドはパキスタンに容疑者の引き渡しなどを強く求めています。パキスタンは捜査協力を申し出た一方、実行犯がパキスタンから来たとするインドの主張には「証拠がない」と反論。最近は「われわれには自衛の用意がある」(クレシ外相)などの発言も出ていました。


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