2008年12月19日(金)「しんぶん赤旗」
中南米カリブ海諸国
キューバ封鎖解除要求
首脳会議閉幕 新しい金融機構提案
【メキシコ市=島田峰隆】ブラジル北東部の都市コスタドサウイペで開かれていた中南米カリブ海地域三十三カ国による首脳会議は十七日、最終宣言を採択して閉幕しました。最終宣言は、米国による対キューバ経済封鎖の解除を求めるとともに、金融取引の規制を強化する新しい金融制度の構築などを提案しています。
宣言は、「米政府が(対キューバ封鎖の解除を求める)十七年連続の国連総会決議の内容を実行し、封鎖を終わらせることを求める」と強調。とりわけブッシュ政権下で強化された制裁措置については、「直ちにやめること」を求めました。
米国に端を発する世界金融危機をめぐっては、「先進国が危機の推進役となった」「発展途上国がその被害を受けてはならない」と指摘。その上で、世界の金融取引に対する有効な規制と透明性を伴った「新しい国際金融機構」を、途上国を参加させる形でつくることを求めました。
中南米全体のテレビ局テレスルによると、首脳らは、中南米地域の貿易取引において米ドルではなく地域通貨での支払いを可能にすることや共通通貨の経験を研究するよう、各国の財務相に指示したといいます。
米国抜きで、キューバを含む域内全三十三カ国が参加した今回の首脳会議は、「時代の変化の重要な兆候」(エクアドル大統領)となりました。メキシコのカルデロン大統領によると、首脳らは、米国抜きの「中南米カリブ海諸国機構」の設立を目指し、二〇一〇年に予定される次回会議に向けて検討を重ねるといいます。
ブラジルのルラ大統領は、閉幕の記者会見で、「中南米は二百年前の独立以来、初めてこうした会議を開いた」と歴史的な意義を強調。「次期米政権が中南米に対し、どういう政策をとるのか注視している」と語りました。

