2008年12月16日(火)「しんぶん赤旗」

ASEAN憲章が発効

平和の共同体へ前進


 【ハノイ=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)の完全統合に向け、憲法にあたる「ASEAN憲章」が十五日、発効しました。これでASEANはゆるやかな連合体から法人格を持つ地域機構へと移行。武力行使の拒絶、紛争の平和解決などの平和・繁栄の理念、内政不干渉・全会一致の原則などを法的に確立し、二〇一五年の共同体実現に前進しました。

 ASEANは同日、ジャカルタの事務局で記念式典を開きました。インドネシアのユドヨノ大統領は「東南アジアはもはや一九六〇年代、七〇年代のようにひどく分断され、戦争で疲弊した地域ではない」と強調。憲章発効は「ASEANの重要な発展」であり、「国際体制が劇的に変化しつつあるなか、ASEANがアジアと世界の問題にさらに力強い役割を果たそうとするうえでの前進」だとのべました。

 憲章は昨年十一月の首脳会議で採択され、加盟十カ国が批准。加盟国は外国軍への基地提供の自制を含む平和のための諸原則、民主主義順守、人権擁護などの原則に従った行動を法的に義務付けられ、履行のための立法措置もとることになります。また新たに紛争解決メカニズムと人権機構を創設します。

 首脳会議が最高意思決定機関。参加国はジャカルタに常駐代表、国内にASEAN事務局を置くなどし、機構の機能強化が図られます。


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