2008年12月14日(日)「しんぶん赤旗」

浜岡原発の廃炉・新設検討

震源域 すべての運転停止を


解説

 浜岡原発は、いつ起きてもおかしくないといわれている東海地震の震源域に立地しています。このような原発が運転を続けていること自体、昨年の新潟県中越沖地震で大きな被害を受けた東京電力柏崎刈羽原発の例からみても、きわめて異常なことです。

 浜岡原発の耐震性をめぐっては、中部電力自身、二〇〇五年にそれまで一貫して東海地震が起きても大丈夫だとくりかえしてきたのを突然ひるがえし、耐震補強工事を実施することを発表しました。これまでに3〜5号機の工事が完了し、1、2号機についてはどのような工事をするか評価を行っているとしています。

 周辺の住民は、〇三年、五基ある浜岡原発のうち、当時まだ運転を開始していなかった5号機を除き、1〜4号機の運転差し止めを求めて訴訟を起こし、現在、東京高裁で争われています。

 今年九月に行われた控訴審の第一回口頭弁論で裁判長は和解に向けた話し合いを提案し、原告側は応じる姿勢を示しましたが、中部電力はこれを拒否しました。話し合いが始まれば、和解案は、現在運転を停止している1、2号機について、運転再開の見合わせを求める内容になる可能性があったとみられていました。

 中部電力が1、2号機廃炉の検討を始めたのは、老朽化した原発にいくら補強工事をしても見通しがもてないことを示しています。

 大地震の震源域に原発を建設すること自体、世界にも例のない無謀なことです。新たに6号機を建設するなどはとんでもないことです。浜岡原発はすべて運転停止することこそ検討すべきです。(間宮利夫)


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