2008年12月12日(金)「しんぶん赤旗」

教科書検定審議会の改定案

白紙撤回求め共同声明

市民団体などが会見


 日本史教科書の沖縄戦「集団自決」への検定意見をめぐり教科書検定制度の改善を要求してきた市民団体などが十一日記者会見し、教科書検定審議会が示している検定制度の改定案に反対し、白紙撤回を求める共同声明を発表しました。

 声明は、改定案で公表するとされた議事概要や調査意見書などはすでに沖縄県民や市民、国会議員の追及で公開されたり、情報公開法で開示されていると指摘。「すべての『審議過程の傍聴をふくむ公開』という私たちの要求とは程遠い」とのべています。

 逆に改定案は「情報の公開をこれまで以上に厳重に統制」し、「規制対象を教科書執筆者にまで拡大しようとねらっている」と批判しています。

 子どもと教科書全国ネット21の俵義文事務局長は「『改善』に見せかけていっそうの改悪をすすめる狡猾(こうかつ)なやり方」と批判。「沖縄戦の歴史歪曲を許さず沖縄から平和教育をすすめる会」の高嶋伸欣琉球大名誉教授は「沖縄の人たちが求めていたことはなんら反映せず、それを逆手にとって改悪しようとしている」と述べました。

 共同声明に加わったのはほかに、大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会、大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会、日本出版労働組合連合会です。



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