2008年12月12日(金)「しんぶん赤旗」

“従属から協力へ”

アルゼンチン大統領 新たな国際関係強調


 【メキシコ市=島田峰隆】ロシア訪問中のアルゼンチンのフェルナンデス大統領は十日、モスクワでロシアのメドベージェフ大統領と会談しました。フェルナンデス大統領は会談後の記者会見で、従属ではなく協力の関係にたった新しい国際関係の構築が必要だと強調しました。

 現地からの報道によると大統領はこのなかで、「これまで経済でも安全保障でも、中枢にいる力のある国々が他国に政策を押し付ける従属関係があったがうまく機能せず、今日、そのつけを地球規模で払わされている」「今こそ従属を協力へと置き換えるときだ」と語りました。

 また「世界の協力の新しい考え方は多極的なものであり、金融、経済、安全保障の規則の根本的な再構築が必要だ」と指摘。これまで強国によって国連の決定が尊重されなかったことに触れながら、「規則がすべての国に適用され、すべての国がそれを守ることが望まれる」と強調しました。

 メドベージェフ大統領は「最も強大で競争力のある一国家による支配は受け入れられない」とのべました。

 両首脳は、ロシア企業がアルゼンチンでの石油事業や南米のガスパイプライン事業に加わることを検討。エネルギー、貿易、技術協力などの協定を結んだほか、多極化世界を目指す「戦略パートナーシップ関係」をうたった共同宣言をまとめました。

 ロシアは中南米諸国との関係を強めており、メドベージェフ大統領は十一月に中南米四カ国を歴訪したばかりです。


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