2008年12月12日(金)「しんぶん赤旗」
国連総長
世界人権宣言60年記念
侵害根絶へ行動訴え
【ワシントン=西村央】一九四八年十二月十日の第三回国連総会で採択された「世界人権宣言」から六十周年にあたる十日、国連総会はこれを記念する全体会合を開き、六十周年宣言を採択しました。
潘基文(パン・ギムン)事務総長はビデオメッセージで、「事務総長就任後、多くの人々の人権が侵害され、適切に守られていない実例を見て、沈痛な思いをしてきた」と述べ、人身売買、児童労働からの搾取、疫病のまん延が続いていることを指摘。地球規模の金融危機や食料不足によって人権が脅威にさらされていることもあげて、その克服に国際社会が一致してとりくむよう訴えました。
ピレイ国連人権高等弁務官は、世界人権宣言の基本原則が九十以上の国で憲法や法律に取り入れられていると指摘。「宣言にもられている拷問又は残虐な扱いの禁止、言論の自由や福祉の保障は、多くの人にとっていまだ果たされていない約束である」と述べ、改善の努力を求めました。

