2008年12月10日(水)「しんぶん赤旗」

“温暖化で難民増加”

COP14でシンポ 専門家ら警告


 【ポズナニ(ポーランド)=坂口明】ポーランドのポズナニで開催中の国連気候変動枠組み条約第十四回締約国会議(COP14)で八日夜(日本時間九日未明)、地球温暖化の結果として生じる難民・避難民・移民の問題について考えるシンポジウムが催され、関係する国連機関の代表や研究者らが意見を交わしました。

 シンポは、温暖化によって引き起こされる難民・移民の増加が、二〇一三年以降の温暖化防止の新協定の策定をめぐる現在の国連の交渉でも十分考慮されていないとして、この問題の重要性を訴える目的で開かれました。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のジョンストン副高等弁務官は、温暖化対策として、▽温室効果ガス排出量の増加を抑える「緩和」▽温暖化の影響に対処する「適応」―などがあるが、これらの対策が全面的に成功しなかった場合に備えた対策も必要だと指摘。その一つが難民・避難民の増加だとし、これらの人々は現時点で二千万人だが、温暖化の進行でこれまでの居住地での生活ができなくなり、五〇年に二億五千万人に増加する可能性もあると警告しました。

 同氏はまた、地球温暖化は、都市人口の増大や食料不足といった今日の世界が直面する大問題との関連で対処すべき大問題だと強調しました。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)代表は、昨年一月以来の二十六件の国際的な大規模人道災害のうち二十三件までが温暖化に関連して起こっていると紹介。温暖化がさまざまな脅威を増大する要因として機能していると指摘しました。



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