2008年12月9日(火)「しんぶん赤旗」

WTO議長案 政府は拒め

輸入拡大 農業壊す

食健連・農民連 申し入れ


 WTO(世界貿易機関)の閣僚会合が開かれるのを前に、全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)と農民連(農民運動全国連合会)は八日、日本が日本農業に打撃を与えるWTO交渉議長案を拒否し、飢餓と環境問題解決に貢献する貿易ルールをつくる先頭に立つよう農水省に申し入れました。日本共産党の紙智子参院議員(農水部会長)が同席しました。


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(写真)WTO議長案拒否をと農水省(右側)に申し入れる全国食健連、農民連の代表。向こう側2人目は紙議員=8日、農水省

 六日示された議長案はいっそうの輸入拡大を求める内容です。関税を高く維持する「重要品目」にできるのは農産物全体の4%が基本で、6%まで拡大が可能としていますが、「代償」として低関税輸入枠を増やすよう求めています。日本の農産物全体の関税率は平均12%でEU(欧州連合)と比べても低く、米や小麦、酪農品、砂糖、コンニャクなど基本穀物や地域特産物が高いだけ。政府は8%が「重要品目」として必要だと主張しています。たとえば米では「重要品目」に設定しても、現行七十七万トンの輸入枠から百三十万トンまで低関税輸入枠を拡大します。

 申し入れでは北海道で営農する農民連の白石淳一会長が「北海道農業は壊滅状態になる、日本の食料自給率はさらに低下する。とても受け入れられる内容ではない」と指摘。世界の農民や市民団体と交流している全国食健連の坂口正明事務局長も、飢餓に苦しむ人が増えているなかで各国が自給を増やす方向に日本が主導権をとるよう求めました。

 国際的な米の需給をひっ迫させ、汚染米事件の元凶となったミニマムアクセス米の廃止を要求。紙議員は「食料事情が変わったなかで日本はもっと主張すべきだ」と迫りました。

 農水省の林田直樹大臣官房審議官らが応対し「要請内容は大臣に伝える」とのべました。



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