2008年12月8日(月)「しんぶん赤旗」

米、受診先延ばし30%

経済的理由 無保険者では61%


 【ワシントン=西村央】米国民の30%が経済的理由から病気になっても受診を先延ばしし、特に無保険者ではその比率が61%にも上っていることが、米世論調査機関ギャラップの調べで明らかになりました。

 この調査は今年十一月十三日から十六日にかけて実施され、五日に公表されました。「過去一年に経済的理由から受診を先延ばしにした」人は29%。うち重症だった者が17%、軽症だった者は12%でした。すぐ受診した人は全体の70%でした。

 「先延ばし」と「すぐ受診」を比較すると、二〇〇一年の19%対81%が、〇四年には26%対74%、〇六年には30%対69%と推移、〇七年も「先延ばし」が30%でした。

 加入保険別に「先延ばし」の割合を見ると、民間医療保険では29%、高齢者や低所得者向けの公的医療扶助では18%。無保険者は61%に跳ね上がります。所得別では、年収七万五千ドル(約七百万円)以上の家庭の20%にたいし、三万ドル(約二百八十万円)以下の家庭では39%とほぼ倍に。

 米国では無保険者は四千六百万人を数え、所得格差も拡大しています。調査結果は、無保険の低所得者が必要な時に医療を受けることができない状態に置かれていることを示しています。



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